【入門編】ビオラってどんな楽器?初心者向けの基礎知識まとめ

アラフィフの皆さんはビオラというとどのような印象を持たれるでしょうか?

おそらく天皇陛下が演奏される楽器で、トランプ大統領が国賓として来日された際ビンテージのビオラをプレゼントとして贈られたというのを覚えていらっしゃる方が多いのではないでしょうか。

この記事ではバイオリンの影に隠れてしまいがちだけれど魅力的な、ビオラについての基礎知識を初心者の方向けにまとめてみました。

ビオラとは?

ビオラは西洋の弦楽器で中音部を受け持つ楽器です。

バイオリン・ビオラ・チェロ・コントラバスと並べてみると初心者の方にはわかりやすいでしょうか。

長くソロで演奏されることがありませんでしたが、近代以降は独奏曲も増えたため存在感が大きくなってきたのです。

ビオラはバイオリンと比較されることが多いため、初心者の方向けに違いを表にしてみました。

 ビオラバイオリン
大きさ約70cm約60cm
重さ約0.6kg約0.5kg
チューニング(低い方から)CGDAGDAE
音色深みがあり落ち着いた太めの音色華やかで目立つ音色
音楽の中での役割中音域のハーモニーを主に担当メロディー(主旋律)を担当

ビオラとバイオリンは形や大きさはよく似ているけれど、音楽的に違いが大きいことが理解できたのではないでしょうか。

ビオラ初心者の方が覚えておきたい部位の名称

ビオラ初心者の方が覚えておいた方がよい楽器の部位の名称を表にまとめてみました。

名前意味
渦巻本体との調和を取るためにある。音への影響はない。
糸巻弦を巻き付ける部分。押し込むように回して止める。
ネック指板が張ってある細い部分。
指板弦を押さえる部分に貼り付けられている板。
弓で擦って演奏する部分
側板ボディーの横の板を指す。
f字孔形により音が変わる。横線の位置を目安に駒を立てる。
4本の弦を支え弦の振動を表板に伝える役割を果たす。
チューニングアジャスターチューニングの補助として音程の微調整ができるネジ状のパーツ。
テールピースエンドピンに取り付けて駒から引っ張ってきた弦を張るためのパーツ。
アゴ当てビオラを構える際にアゴを乗せる部分。

ビオラ初心者の方がよく使用する部分を抜粋しているので、これ以外の部分も必要あれば少しずつ楽器を使いながら覚えていきましょう。

ビオラ初心者の方が購入時に気を付けてほしいこと

ビオラ初心者の方が購入時にまず気になるのが価格帯でしょう。

ビオラの価格帯は他の弦楽器と同様幅広く、初心者向けの数万円のものからイタリア製の名器の呼ばれる楽器では数百万円~数億円するものもあると言われます。

ビオラ初心者の方でも価格の高い楽器を楽器店で試奏してみるのは勉強になりますが、普段の練習用にはビオラ初心者向けセットが発売されているのでそれを購入するのがおすすめです。

ビオラ初心者向けセットとは本体と弓以外にも松脂、チューナー、ビオラケースなどの小物がセットになっており、楽器についての知識が少ない初心者の方でも購入しやすくなっています。

価格相場は10万円前後です。

また少し予算が足りない場合は楽器店で月額4,000円程度からレンタルすることも可能ですし、逆に予算が少し多めにある場合はビオラの楽器本体・弓・ケース・小物を好きなものから選んで組み合わせて購入するといったこともできるのです。

楽器や小物を購入する時気を付けてほしいポイントをご紹介します。

①楽器本体
ビオラはサイズが37cm~43cm程度までとバイオリンと比較すると種類が多いのが特徴で、一般的にサイズが大きい方がビオラらしい音を出すことができると言われます。

しかし初心者の方は特に構えた時体のどこかに負荷がかかるようなサイズの楽器を選ぶのは、日頃の練習に差し支えるためあまり望ましいとは言えません。

楽器を選ぶ際は必ず構えてみて、全長と厚みを確かめましょう。

また見た目で裏板・側板に木目が美しく出ている楽器には高品質の素材が使用されています。

価格と比例する部分ではありますが、目を通しておくことは大切です。

②弓
多くはフェルナンブコ材が使われますが、安価なものだとブラジル材が使用されます。

ビオラ初心者セットにはよくブラジル材の弓が使用されるので、演奏してみて気になる方は初心者から上級者まで使うことのできるフェルナンブコ材の弓が使用されているビオラ初心者セットを選ぶのがよいでしょう。

また試奏の際は楽器と弓との相性もチェックするのをおすすめします。

③松脂
弓に塗る松脂はビオラ初心者セットについている場合最初はそれを使用することになりますが、あまりにも安い価格のものだと粉が飛び散ったり音色が汚くなったりします。

その場合、価格相場は2,000円~5,000円と少し高いのですが買い替えた方がよいでしょう。

松脂の粉飛びは日々のお手入れを煩雑にしますし、松脂のせいで本来の楽器が持つ音色を引き出せないのはとてももったいないことだからです。

弦楽器全般に言えることですが、良い松脂を使用すると初心者でもぐっと楽器の鳴りは良くなるので長くビオラを続けたい初心者の方は松脂にこだわってみてください。

ビオラの楽譜について

ビオラの楽譜は五線譜ですが、ハ音記号が初心者の方にとっては難関と言えるのではないでしょうか。

ハ音記号はト音記号やヘ音記号と同様、五線譜の一番左側に記載され、ハ音記号の中心を貫く線上の音譜がC(=ド)になるという意味を表します。

移動範囲が多く、ト音記号が2か所、ヘ音記号が3か所なのに対しハ音記号はソプラノからバリトンまで5か所に移動する(五線全部がドになりうるということ)のが特徴的です。

ビオラの場合はハ音記号のアルトの位置(五線譜の3本目)で示されることがほとんどなので、初心者の方は階名を自分で振ってみると覚えやすくなるでしょう。

ビオラの楽器ではハ音記号のドの音はG線を3の指で押さえた場所です。

慣れないうちは楽譜と楽器を見比べながら何度も弾くという作業の繰り返しかもしれませんが、簡単な譜面を数多く読んでみることが大切と言えます。

ただし譜読みがどうしても苦手という方は、無理をせずビオラの専門の先生につくのがおすすめです。

もちろん今ではビオラの初心者の方向けに運指や弓の動きを確認できる動画や、楽譜と同時再生で演奏してくれる動画など譜読みを助けてくれるツールはたくさん存在します。

しかしビオラの大きな特色の1つであるハ音記号を使用した五線譜の良さを理解するのと理解しないのとではその後の楽しさが異なってくるでしょう。

はっきりと嫌いになってしまう前に、ぜひ譜読みに長けた先生を探してみてください。

ビオラ初心者の方におすすめの練習方法とは?

ビオラ初心者の方が練習する前にぜひ準備してほしいのがメトロノーム・譜面台・姿見の3つです。

メトロノームはボーイング(運弓法とも言い、どのように弓を動かして演奏するかを指す)練習の時にリズムを一定にするのに用います。

無料アプリがたくさんあるので、使いやすいものをダウンロードしておきましょう。

譜面台は楽譜や教本を見るためで軽量のものが使いやすく、価格相場は1,500円~5,000円ほどです。

また姿見は弓の動きと運指が確認できるよう幅の広いものを選ぶのがコツです。

道具が揃ったらまず1日のうちどのくらいの時間練習できるかを考えてみましょう。

アラフィフの方であれば会社での責任が大きく、時には残業で帰宅時間が遅くなったり、休日に疲れが残ってしまったりということもあるでしょう。

これらのこともあらかじめ鑑みて無理のない、柔軟な練習計画を立てておくのです。

例えば1日30分と設定したのであれば、最初の15分をボーイングや移弦などの基礎練習にあて、残りの15分で何か好きな曲を弾いてもよいでしょう。

基礎練習ではメトロノームでリズムに乗って弾けているか、姿見で正しいフォームで弾けているかをしっかりとチェックしましょう。

曲を弾く場合ビオラ初心者の方は最初譜面通りに弾けないこともあるかもしれませんが、弾けない部分だけをゆっくりと何度も繰り返して練習するなどの工夫をすれば少しずつ弾けるようになるものです。

もし自分がうまく弾けているかどうかわかりにくいと感じた場合は、自分の弾いた音を録音してみるというのもよいでしょう。

初心者の方は例外なくショックを受けますが、ここでどこがよくないかを自己分析できればぐっと伸びるきっかけになることもあるので恐れずにやってみることが大切です。

まとめ

ビオラはバイオリンと比較すると中音域を担当する楽器なのでメロディーを演奏するような華やかなパートではありません。

しかしこのように楽器の特色、楽譜、練習方法を見渡してみると初心者の方でも親しみやすく、また学びがいのある楽器であるということがおわかりいただけたのではないでしょうか。

ビオラを独学で学ぶのはちょっと自信がない、と感じたアラフィフの方もいらっしゃると思いますが、そのような場合は長く続けていくためにも専門の先生がいらっしゃる音楽教室に通うのがよいでしょう。

なぜならビオラには譜読みのように初心者の方がつまずきやすいポイントというのはあっても、全員が同じことで伸び悩むわけではないからです。

ビオラのレッスンに長けた先生は、生徒さん一人一人にどのようにアドバイスをすればスムーズに上達させることができるのかを自身の経験から理論的に導き出しています。

ぜひさまざまな無料体験レッスンの受講や問い合わせをしてみて、自分に合った先生を見つけてみてください。

音人倶楽部とは?

音人倶楽部は50代以上の大人の方向けに作られた音楽教室です。

入会された方の72%が初心者からのスタートなので安心して始めることができるのと、体験レッスン当日に入会し1年間の継続レッスンを約束すると無料でビオラがもらえます。

また幅広く音楽に触れてみたい方のためには「オールフリー制」があり、コースやスタジオ、講師まで都度選ぶことができるため、気分転換に少し他の楽器を習ってみることもできるのです。

これからの時間を豊かな気持ちで過ごすためにも、「音人倶楽部」という新しい扉を開いてみませんか。