【ウッドベースの初心者向けガイド】まずは覚えておきたい5つの基礎知識ほか解説

アラフィフになると騒がしい音楽より、落ち着いた雰囲気に合うジャズやボサノバの方が耳障りが良いと感じる時はないでしょうか。

そんな音楽たちを心地よい音色で下から支えているのがウッドベースです。

この記事ではウッドベースに興味を持った初心者の方に覚えてほしい基礎知識について詳しく解説します。

【基礎知識1】ウッドベースとコントラバスの違いとは?

初心者の方の中にはウッドベースと検索をかけたのに、コントラバスの情報がたくさん出てくることに違和感を持った方もいらっしゃるでしょう。

ウッドベースとコントラバスは同じ楽器なのでこのようなことが起こるのです。

ではなぜこのような呼び方の違いがあるのでしょうか。

ウッドベースとコントラバスの違いを表にまとめてみました。

楽器の名前音楽ジャンル主たる演奏法他の演奏法弦高(弦と指板との距離)弦の本数
ウッドベースジャズ・ロカビリー・ボサノバピチカート奏法(弦を指で弾く奏法) スラップ奏法(弦を引っ張って叩く奏法)アルコ奏法(弦を弓で弾く奏法)低め4弦
コントラバスクラシックアルコ奏法(弦を弓で弾く奏法)ピチカート奏法(弦を指で弾く奏法)高め4弦が基本だが5弦の楽器も使用される

ウッドベースという呼び方は主にジャズで、コントラバスという呼び方はクラシックで用いられます。

そのためウッドベースの主な奏法はジャズでよく用いられるピチカート奏法やスラップ奏法、コントラバスの主な奏法はクラシックでよく用いられるアルコ奏法になるのです。

ウッドベースという呼び方は和製英語なので、海外では通じないことも覚えておきましょう。

【基礎知識2】ウッドベースのパーツの名称とは?

ウッドベース初心者の方に覚えてほしいパーツの名称を一覧表にしてみました。

名前意味
振動させることで音が出る。スチール弦、ナイロン弦、ガット弦(動物の腸を素材とした弦)など素材により音色が変化する。
ペグ弦を巻き付ける金具。緩めたり締めたりすることで音程が変化する。ウッドベースは弦の張力が強いためマシンヘッドという歯車の仕様になっている。
指板弦を押さえる部分に貼り付けられている黒檀で作られた板。
メープルと言う木材で作られ、弦の振動を表板に伝える役割を持つ。
テールピースエンドピンに取り付けて駒から引っ張ってきた弦を張るためのパーツ。
エンドピン床に立てて楽器を支える棒状の部品。

パーツの名前と役割を知ることで、ウッドベースの音が鳴る仕組みについても少しずつ理解できてくるはずです。

初心者の方はよく使用する上記6つのパーツから覚えて、少しずつ他のパーツについても知識を広げていってください。

【基礎知識3】ウッドベースの音域とチューニングについて

ウッドベースはクラシックで使用する弦楽器のバイオリン、ビオラ、チェロと比較すると一番低い音域を担当する楽器です。

それを踏まえてウッドベースのチューニングについて説明します。

チューニングとはペグで弦を緩めたり締めたりして音程を合わせることで、チューナーという現在の楽器の音程を表示してくれる機械を用いて行うのです。

弦は張っただけでは正しい音程にはなっていないため、全ての弦楽器は演奏前にこのチューニングを行って楽器ごとに正しい音程に調整する必要があります。

ウッドベースの場合太い弦から順番にⅣ弦→Ⅰ弦と数字が振ってありますが、それぞれどの音程に合わせればよいかを表にしてみました。

弦の名前音名(イタリア語表記)音名(英語表記)
Ⅳ弦E
Ⅲ弦A
Ⅱ弦D
Ⅰ弦G

次に弦は締めると音程が上がり、緩めると音程が下がるということを覚えてください。

その上でチューナーの前で指板をどこも押さえずに(開放弦という)Ⅰ弦を鳴らしてみましょう。

チューナーの針が真ん中より左側を指している場合は音程が低いということなので、ペグで弦を締め針がちょうど真ん中になるように調整します。

またチューナーの針が真ん中より右側を指している場合は音程が高いため、一旦真ん中よりも針が左側になるところまで弦を緩めるのですが、ウッドベースの場合ペグがマシンヘッドの仕様となっているため弦を緩めたつもりが、巻きつけられた軸の周りでたるんでしまう場合があるのです。

これを防ぐには弦を少し指板と反対方向に引っ張ってたるみを取ります。

その上で再びチューナーの針が真ん中よりも左側になるところまで弦を緩め、そこから再度締めることで針が真ん中にくるように調整しましょう。

ペグを締めることで音程を最終的に合わせるようにするのは、音程を狂いにくくするためだということを覚えておいてください。

これをⅠ弦からⅣ弦まで4回行えば、チューニングの完了です。

ウッドベースにはもう1つフラジオレットというチューニング方法もあるのですが、これは初心者の方が最初から行うには難しい手法のため、まずチューナーを使ってしっかりとチューニングできるようになるのを目指すことをおすすめします。

【基礎知識4】ウッドベースのお手入れについて

ウッドベースだけではなくどの楽器でも同じですが、長く弾き続けるためには楽器のお手入れが重要です。

そのため日々のお手入れを習慣として初心者のうちに身に着けておくようにするのが望ましいでしょう。

専用のクロスを準備して、弦の中で指が触れた部分、楽器の表面とサイドの部分、ネック(指板が張られている裏側の部分)、糸巻の順番で拭いてください。

ウッドベース初心者の方が意外と忘れがちなのが糸巻を拭くことなのですが、ここのお手入れを怠るとあっという間に錆びつき、すぐチューニングに影響が出てきてしまいます。

ウッドベースは大きな楽器なので、お手入れが大変だと初心者の方は感じてしまいがちですが、丁寧に扱った分だけ楽器の響きは良くなるものです。

お手入れが終わったら楽器を倒さないよう注意しながらケースに収納するようにしましょう。

【基礎知識5】ウッドベースを初心者が購入する時に気を付けてほしいこと

ウッドベース初心者の方が楽器を購入する時にまず気になるのが値段の相場なのではないでしょうか。

新品ではおおまかに20万円~200万円、中古では骨董品的な価値のある楽器も含まれるため9万円~300万円とウッドベースは値段の幅が広いのが特徴的と言えるでしょう。

ではなぜこのように値段の幅が広いのでしょうか。

それは使用している素材がそれぞれ異なるからです。

良心的な楽器屋さんでは通販でも、例えば表板・スプルース単板、裏胴・メイプル単板、側板・メイプル合板、指板とナット・黒檀のようにウッドベースの各パーツ別の素材を表示してくれています。

そしてウッドベース初心者の方がお買い得な楽器かどうか見極めるためには、この素材表示の中でひとまず「単板」「合板」という表示に注目してください。

単板とは1枚の板を削り出して作ったという意味で、合板はベニヤ板を重ねて作ったという意味です。

楽器として響きが良いのは単板なので、単板の各パーツへの使用頻度が高い楽器ほど値段は高くなります。

しかしたまに表板も裏板も単板で作られているのに値段が安い楽器が出回ることがあるので、このようなウッドベースはお値打ち品だと言えるでしょう。

またウッドベース初心者の方にもう1つおすすめしておきたいのが購入するなら中古品ではなく新品にした方がよいということです。

理由は中古品の場合、不具合があったとしてもウッドベース初心者の方にはどこがよくないのか判断が難しいため、楽器屋さんに行ってチェックしてみたところ多額の修理費用がかかるような不具合だったという事態にもなりかねないからです。

ウッドベースは全ての楽器の中でもかなり高価格な楽器と言えます。

そのためせっかく初心者の方が安くはない費用をかけて購入するのであれば、素材について親切に教えてくれたり、試奏を受け入れてくれたりするような良い楽器屋さん選びから始めるのがよいでしょう。

まとめ

ウッドベースは楽器全体の中では決して難易度は高くなく、初心者の方でも親しみやすい楽器であることがおわかりいただけたことでしょう。

楽器の部位の名前を覚えることやチューニング、お手入れの方法も手順をしっかりと踏めばあまり間違える要素がなく、どなたでも簡単に行えるような内容が多いはずです。

しかし初心者の方にとって、ウッドベースを始める敷居を一番上げているのが楽器の購入と言えるのではないでしょうか。

これは費用面はもちろん、ウッドベースという楽器に長けた良い楽器屋さんを見つけることも初心者の方にとっては難しいためです。

この高いハードルを自分で乗り越えるのが難しいと思った場合、ウッドベースをあきらめてしまう方もいらっしゃるかもしれませんが、それでもどうしても演奏してみたい方には音人倶楽部でひとまず無料体験レッスンを受講し、楽器の購入についてのアドバイスを受けることをおすすめします。

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