今からでも遅くない!初心者からエレキベースを始めるときに知っておきたいこと
エレキギターのような見た目の楽器でありながら、バンドの中でも控えめでリズムを刻んでいるだけの印象を持たれやすいエレキベースですが、この低音からバンドを支えるという姿に惚れ込んでエレキベースを始める人も多いものです。
しかし、エレキベースを初めてみようと思っても、何から始めたらいいのかわからず二の足を踏んでいる人も多いのではないでしょうか。そこでこの記事では、エレキベースを始めるときに知っておきたい基本的な知識や練習方法をご紹介していきます。
エレキベースを始める前に知っておきたい基礎知識
エレキベースと一口に言っても、その種類はさまざまです。主にピックアップと呼ばれる、弦の振動を拾って音に変える装置によって大きく音が変わってきます。この辺りも含めてご説明していきます。
エレキベースの種類とは?
まずは、大きくジャズベースとプレシジョンベースに分類されます。
ジャズベース
通称「ジャズベ」と呼ばれる楽器です。シングルコイルと呼ばれる細いピックアップを2つ搭載しており、それぞれで硬い音と柔らかい音を拾います。
これらをミックスして出力することでまとまりがあり、オールラウンドでジャンルを選ばない音色を実現可能にしているのです。抜けがよくてシャープな音色が特徴ですが、楽器を持ったときの特徴としてはネックの細さが挙げられます。プレシジョンベースなどに比べると細いネックで手が小さい人でも演奏しやすいというところから、初心者でも扱いやすい楽器です。
プレシジョンベース
こちらは通称「プレベ」と呼ばれます。ジャズベースと異なり、ピックアップはハムバッキングがひとつだけ搭載されているものです。
全体的に丸みがあって骨太な音色で、ピックを使ってゴリゴリとした奏法に適しています。音抜けはジャズベースに比べて少し劣りますが、低音で支えるという持ち味で行くとロックやメタル系のジャンルで重宝される楽器です。ネックの太さについては、ジャズベースよりも一回りほど太い印象です。そのため、手のサイズによってはなかなか使いこなすのが難しいかもしれません。
エレキベースの種類は大きく分けて上記のふたつなのですが、エレキベースは振動を電気信号に変えて音を鳴らす楽器です。その音をアンプ(スピーカー)に伝える内部回路によっても音色が変わってきますので、解説します。
アクティブ回路
エレキベース本体の中に、プリアンプと呼ばれる小型のアンプ回路を搭載し、さらに9Vの電池を内蔵したものです。内部にアンプを内蔵しているため、エレキベース本体で低音を強くしたり高音を小さくしたりといった、細かな音作りが可能になります。
本来こうした設定は、エレキベースに別でつないだエフェクターやアンプ本体でするものなのですが、エレキベース本体でできるという点で大きな魅力です。しかし、電池が切れてしまうと音が出なくなってしまうため、定期的なメンテナンスと予備の電池は欠かさないようにしましょう。
パッシブ回路
アクティブと異なり、プリアンプを内蔵していないエレキベースです。トーンと呼ばれる音色の変更やピックアップ同士のミックスは可能ですが、エレキベース本体だけによる細かな音作りはアクティブのようにはできません。その代わり、脚色されない楽器本来のナチュラルな音色が表現できるという魅力があります。
アクティブの場合は、どうしても音色をいじってしまう関係で楽器本来の鳴りとは少し異なったものになってしまうのはどうしようもありませんが、それがアクティブのいいところです。この辺りは、プレイヤーによって好みが分かれるところですので、まずは試奏してみて好みを確認してみましょう。
ここでご紹介したのは、あくまでも一般的なもので、他にも、リッケンバッカーやギブソン・サンダーバード、他にはアーティストモデルを多く製造していて奇抜な形が多いESPやモッキンバード、ビートルズで有名なバイオリンベースなど、多様なベースが販売されているため、こうしたものを調べているだけでもとても楽しいと思います。音色や大きさ、重さなどもそれぞれに特徴がありますよ。
エレキベースの練習方法
エレキベースはアンプを通さない限り、大きな音は鳴りません。生音もエレキギターに比べてとても小さいものですので、マンションなどでも十分練習可能です。アンプシュミレーターや小さなアンプにヘッドホンをつなぐことができるものあるため、それでエレキベースとしての音を聴きながら練習することもできます。
その状態でどのように練習するのがいいかといったことですが、エレキベースは「リズム隊」と呼ばれるグループに属している通り、コード進行の底辺を支えつつ、リズムの要ともなる重要なポジションです。そのため、リズムを意識した練習に重点を置く必要があり、基礎練習にはメトロノームは必須となります。メトロノームに合わせてリズムキープできることを最優先に練習を始め、まずは弾いている音がキレイに被ってメトロノームの音が聴こえなくなる状態が安定して維持できることを目指しましょう!
そうしてリズムの練習をしながら、スケールやコード、つまり和音の構成などを理解する勉強をすると演奏の幅がぐっと広がります。音階や和音の構成が理解できるとアドリブを入れたりベースソロをするときに役立つだけでなく、自分が曲に対してどういう役割の音を鳴らしているのかということが理解できるため、演奏していても楽しさが格段に上がるのです。
また、自身ではなかなか練習が難しいという場合は、教室に通うことを視野に入れるのも良いでしょう。EYSではオンラインの教室もあり、無料体験レッスンもあるので、まずはお試しください。
初めてのエレキベース選びのポイントと予算は?
初心者モデルとしてさまざまなメーカーから1万円程度の金額で売られているものも多いのですが、もし本気で続けていこうと思っているのであればある程度の楽器購入をオススメします。安いものは安いなりであることも多く、メンテナンスに余計なお金がかかることも多いからです。
そこでオススメするのが、金額として10万円前後で購入できるFender社製のエレキベースになります。全く楽器を触ったことがない状態であれば、まずはFenderのジャズベースが扱いやすく、ジャンルも選ばないのでオススメです。上を見ればもっと高いものもありますが、10万円前後で購入できるものでも十分に性能を感じることができます。エレキベースの歴史はFenderと共にあると言ってもいいくらい歴史のあるメーカーであり、プロも使用しているので安心できるのではないでしょうか。
ただ、もし好きなミュージシャンがいて、その人と同じ楽器が持ちたいということであれば、それを買うのもおすすめです。なぜなら楽器を練習するには根気が必要であり、自分のモチベーションとテンションが維持できる楽器を持つことが有効だからです。この辺りは、予算と好みと相談して決めるようにしましょう。
エレキベースを始めるにあたって揃えておきたいアイテムは?
楽器については、上記で説明した通りです。では、その他にどのようなものが揃っていると良いのでしょうか。以下でご紹介いたします。
メトロノーム
上記でご説明した通り、エレキベースはリズム楽器としての特徴がある楽器ですので、リズムキープは必須です。そのために必要なのがメトロノームですが、今はスマートフォンアプリでもメトロノームがあるので必ずしも購入が必要というわけでもありません。しかし、コンパクトで扱いやすいものも安価で購入できますので、ひとつは持っておくことをオススメします。
チューナー
狂った音程で練習していると、正しい音感が身につきません。そこで、必要なのが楽器の音程を調整するためのチューナーです。ケーブルを挿して調整するものから、ヘッドに挟んで振動を拾うものまで種類は多様ですが、オススメはケーブルを挿してチューニングするタイプのものになります。これなら、ライブ中でも足元でチューニングすることが可能になるためです。また、ケーブルで直接音を拾うため、正確性も高いという点も挙げられます。
シールド
上記で少し出てきた「ケーブル」のことをシールドと呼びます。エレキベースとアンプを接続するためのケーブルのことです。電子楽器であるエレキベースは、電気信号を音に変えて演奏します。そのため、いくら素晴らしい楽器を使っていてもこのシールドの性能が劣っていると、音質の劣化が懸念されるのです。
そのため、ある程度の価格帯のものを選びましょう。数百円から数百万円までその幅は広いのですが、2000円から10000円くらいのものを選ぶと良いです。ただ、シールドは消耗品です。どんなに高価なものでも定期的に交換することになるので、その辺りは財布と相談しながら決めることをオススメします。
アンプ
ライブハウスやスタジオには大きなアンプが設置されていて、ベーシストは基本的にはそれを使うことが多いと思います。(ギタリストはマイアンプを持ち込む場合も多い)
ここで言うアンプは、自宅練習用のものです。ヘッドホンを接続できるもので、ある程度のボリュームが出せるものを選ぶようにしましょう。家庭用とはいえ、サイズもスイカ程度の大きさのものから、小さな脚立くらいの大きさのものまでさまざまです。そのため、自宅に置くことを考えて選ぶようにしましょう。
ヘッドホン
練習時にアンプに繋いで音を聴くために重宝します。これがあることで、時間を気にせず練習することが可能になるのでオススメです。
ピック
指で弦を弾くスタイルの場合は不要ですが、ロックでよく見られるようにピックで弾く場合は必要になります。硬さやサイズ、デザインもさまざまですので、一度触れて試してみましょう。1枚100円程度で購入できます。
エレキベース初心者にオススメの練習曲紹介
練習曲を選定する際、気をつけないといけないのはテンポが速すぎず、複雑すぎないリズムであることです。これらがあまりにも難解であれば、練習していて挫折する可能性が高くなることと、ベースとしての役割を理解しにくいというデメリットがあります。その観点から、オススメの練習曲を3曲ご紹介します。
Deep Purple – Smoke on the Water
https://www.youtube.com/watch?v=zUwEIt9ez7M
コード進行が単純で、なおかつベースラインもとてもわかりやすいという点で練習に最適です。普段あまり耳に残らないベース音が、概ね普通に聴いていて聴こえてくる音やリズムをそのまま弾くことができるため、弾いていて気持ちがいいと感じることでしょう。
スピッツ – ロビンソン
カラオケなどでも熱唱される方が多いこの曲。実は単調そうに聴こえるベースラインは、意外にもリズミカルに跳ねていてとてもオシャレです。この曲をうまく弾けるようになれば、リズムという点でも大きな武器を手に入れることができます。
Earth, Wind & Fire – September
ダンスミュージックとして一世を風靡した名曲です。上記でご紹介した曲に比べて、メロディアスなベースラインが特徴で、動きが多いため、リズムキープと運指の練習に最適といえます。
最後に
ベースは弦が太いため指が痛いということで挫折する方も多いのですが、そこをクリアすればとても楽しい楽器です。ギターのように花形ではないにせよ、バンドに必要不可欠な存在としての重要性を感じることができことでしょう。中にはもっと、動きのあるベースラインで魅せるベーシストもいますので、そういったところも練習していければさらに多様なパターンを習得していくことが可能です。
重ねて申しますが、メトロノームは必ず使うようにしてください。曲に合わせて弾けばいいというものではありません。この点だけ注意して、基礎からしっかりと練習していきましょう!