【初心者必見】クラリネットを始める前に押さえておきたい基礎知識&練習方法【入門編】

数ある管楽器の中でも甘い音色で人気なクラリネット。吹奏楽からジャズ、オーケストラまで欠かすことができない楽器です。かっこいいジャズのフレーズを演奏したり、吹奏楽団やオーケストラに入ってソロを演奏するのは多くの人のあこがれではないでしょうか。

今回はそんなクラリネットを始めるにあたって押さえておきたい基礎知識をご紹介していきます。これからクラリネットを始めたいという方はぜひ参考にしてみてくださいね。

クラリネットを始める前に押さえておきたい基礎知識

では、改めてクラリネットの基礎知識をご紹介していきます。実はクラリネットと一言で言っても色々な種類があります。また、必ず押さえておきたい練習方法があるので初心者の方は必ず目を通してくださいね。

クラリネットの種類は?

クラリネットは、非常に多くの種類がある楽器です。今回はその中でも主要なクラリネットをご紹介していきます。どんなクラリネットを選べばいいのかわからない方は参考にしてみてください。

一番主流なB♭管クラリネット

クラリネット界で一番主流として使われているのが「B♭管クラリネット(並クラリネット、ベーカンとも言う)というクラリネットです。記譜上の「ド」の音を演奏すると「シ♭(B♭)」の音が出ることからそう言われています。

音は明るくキラキラとしており、また演奏の工夫により柔らかく甘い音色も出すことができると非常に応用が利くことが特徴です。

吹奏楽やオーケストラ、ジャズなどすべてのシーンで活躍してくれる楽器で、まずクラリネットをはじめるにはこのB♭管クラリネットを選ぶのがいいでしょう。全ての基本となる機種なので、このクラリネットで基礎を勉強していきましょう。

オーケストラで主に活躍するA管クラリネット

主にオーケストラやソロ演奏で活躍するのが「A管クラリネット」です。B♭管クラリネットよりも半音低い音が出る機種となっており、より深く甘い音色が出るのが特徴です。B♭クラリネットに比べてやや高音のコントロールにコツがいるため、最初からこのクラリネットを選ぶのはおすすめできません。

重低音が魅力のBassクラリネット

まるでチェロのような深く低い音を出すことができるのが「Bassクラリネット」です。B♭管クラリネットのおよそ2倍の大きさと太さになっており、主に吹奏楽やオーケストラで演奏されます。こちらもまずはB♭管クラリネットで基礎を習得してから演奏するのがおすすめです。

小さくて可愛いE♭管クラリネット

キャラキャラとしたかわいい音色と高音が魅力なのが「E♭管クラリネット」です。こちらも主に吹奏楽やオーケストラで使われる楽器となっています。音色が非常に派手なためここぞというときのソロとして使われることも多いです。

その他いろいろな長さのクラリネット

ご紹介した以外にはBassクラリネットよりも短いけれどA管クラリネットよりも長い「Altoクラリネット」、Bassクラリネットよりもさらに2倍の長さの「コントラバスクラリネット」などがあります。こちらは通称「特殊管」と呼ばれており、クラリネットアンサンブルや一部の吹奏楽曲などで使われる限定的なクラリネットです。

クラリネットの練習方法

ここからはクラリネットの練習方法等をご紹介していきます。何をすればよいかわからない初心者の方はまずこの通りの手順を踏んでみましょう。

まずは組み立てから

クラリネットを練習する前に、まずは正しい組み立て方を学びましょう。クラリネットは分解されてケースに収まっており、正しい組み立て方をしないと楽器を壊してしまうことにつながります。

まず、「上管」と呼ばれるクラリネットの上部分と「タル」と呼ばれる上管のさらに上の部分をまずドッキングさせます。コルク部分にタルを押し込むようにすればOKです。コルクが固い場合には適宜コルクグリスを塗りましょう。キイの部分は非常にデリケートなので力任せにねじこむと曲げてしまう危険があるので、なるべくキイ部分ではなく本体の木の部分を握って組み立てるようにしましょう。

その次に、「下管」と呼ばれるクラリネットの下部分と「ベル」と呼ばれるクラリネットの最下部をドッキングさせます。できたら最後に上管と下管を合体させ、「マウスピース」と呼ばれる歌口部分を組み合わせたら完成です。

リードをつけてみよう

クラリネットが組み立て終わったら次に「リード」と呼ばれるパーツをつけていきましょう。このリードがマウスピースとの間で振動して音が出る仕組みとなっています。「リガチャー」というリードの留め金をいったん外し、マウスピースにリードを固定し上からリガチャーをかぶせるようにすると完了です。

コツはマウスピースの先端とリードの先端がぴったり合わさるようにすること。ここをおろそかにすると音が出しづらくなってしまうので注意です。

音を出すには口の形がコツ

楽器の準備が整ったらいよいよ音を出してみましょう。クラリネットはリコーダーと違って咥えて吹き込むだけだと音が出ません。口の形(アンブシュアと言います)がポイントとなってくるのです。まずは下唇を下の歯の上にかぶせるようにしましょう。そうすると少し「しゃくれた」ような格好になるはずです。それでよいのです。上の唇は巻かなくてOKです。

形ができたらそのままマウスピースを咥えます。下唇がリードの上にクッションのようになり、上の歯はマウスピースの表面をしっかりカチッと噛みます。その状態で唇から息が漏れないように息を吹き込んでみましょう。最初はかなり力が必要なので音が一発で出なくても焦らなくて大丈夫です。音が出づらい場合にはリードの番手を下げてみるとよいでしょう。初心者の方には2半や2番と呼ばれるリードの種類がおすすめです。

まっすぐ音を伸ばしてみよう

音が出るようになったら、まっすぐ音を伸ばす訓練をします。これは「ロングトーン」と呼ばれる練習方法で、プロからアマチュアまで全てのクラリネット奏者が取り入れている練習方法です。右手でクラリネットの下管をささえ、左手は上管に軽く添えます。そうしたら右手の親指と上の前歯で楽器をしっかりと固定するようにしましょう。

フォームができたらいよいよ音を伸ばしてみます。「ソ」の音で最初はOKです。頭の中のカウントで4拍を目標にして伸ばしてみましょう。深く息を吸い込んで息の柱が楽器の中に入っていくようなイメージで行うのがコツです。慣れてきたら他の音でもまっすぐ音を伸ばす訓練をしていくと安定した音がだんだんと出るようになります。

音階練習をしてみよう

音を伸ばすのに慣れてきたら次に音階練習に取り組んでみましょう。滑らかに曲を演奏するのには欠かせない練習です。

ドレミファソラシドのように音を並べる練習ですが、意識したいのは2点。音と音のつながりが滑らかになることと、指がもつれないように正確に動かすことです。これができるようになると、初めての曲でもスラスラと演奏することができるようになります。

曲を演奏してみよう

最後にいよいよ曲の練習です。曲をいきなりすべて完璧に演奏するのはなかなか難しいので、パーツごと、小節ごとに分けて練習するのがおすすめの方法です。できない箇所を繰り返し繰り返ししつこく練習し、できるようになったらその前後から繋げてみるという地道な作業が必要になってきます。おすすめの曲は後ほど紹介しますので、参考にしてみてくださいね。

クラリネットの練習方法をご紹介しましたが、プロに習うのもおすすめです。EYSではオンラインレッスンもあるので、ぜひお試しください。プロの指導があれば、初心者でもメキメキと上達することができるでしょう。

クラリネット選びの予算&ポイント

クラリネットを始めたからには自分の楽器が欲しいという方も多いでしょう。ここでは初心者向けモデルの選び方のコツと予算をご紹介していきます。

初心者向けモデルの予算と選び方のコツ

クラリネットは意外と値が張る楽器です。初心者モデルの最低予算としてはせめて15万円ほどをみておきたい楽器となっています。中国産などの安い10万円以下の楽器は品質が粗悪なことが多いので避けるのがベターです。

おすすめは、フランスメーカーや日本メーカーのエントリーモデル。ビュッフェクランポン、セルマー、ヤマハのエントリーモデルはどれも高品質なので迷ったらこれを選ぶようにしましょう。

本格的に極めたい方向けの選び方

本格的にクラリネットを極めたい方は、やや予算を多く見積もっていただくと良いでしょう。おおよそ35万円ほどあれば、プロでも使っているモデルと同じものを買うことができます。このクラスになると本格的な音色も出すことができ、メンテナンスをすれば10年以上使うことも可能なので、予算に余裕があるときには検討してみることをおすすめします。

 

クラリネットの練習に役立つグッズ

クラリネットの練習は様々なグッズを活用することでさらに効率をあげることができます。初心者はもちろんプロでも必携のアイテムを5点あげていきますので、楽器を買うときには一緒に購入することをおすすめします。

メトロノーム

音楽の練習をするのに欠かせないのがこの「メトロノーム」です。電子メトロノームが取り扱いがしやすいのでおすすめです。譜面台に起きながら曲の練習や音階練習するのにぴったりです。

チューナー

チューナーも必須グッズの一つです。クラリネットはピアノなどと違って音程が不安定になりがちな楽器なので、定期的に自分の出している音の音程が正しいかどうかチェックすることで、不格好な演奏になることを防ぐことができます。こちらはメトロノームに一緒に搭載されていることも多くなっています。

スワブ

クラリネットは演奏していると内部に水滴が溜まってきます。この水滴を掃除するのが「スワブ」と呼ばれる掃除グッズです。15分に1回程度クラリネット内部を掃除することによって、管体に水が溜まるのを防ぎ楽器のコンディションを健康に保つことができます。

コルクグリス

楽器の組み立ての際に便利なのがこの「コルクグリス」です。楽器のジョイント部はコルクでできており、場合によっては組み立てる際に固いことがあります。その時にこのコルクグリスを使うことによってスムーズに組み立てることができるのです。

譜面台

最後に曲を演奏するのに欠かせないのがこの「譜面台」です。折りたたみ式のものであるとレッスンやアンサンブルにもっていくのにも便利。なるべく軽い素材でできているものを選ぶと持ち運びがしやすいのでおすすめです。

クラリネット初心者におすすめの3曲

ではここからはクラリネット初心者におすすめの曲をご紹介していきます。簡単な曲から、初心者のステップアップにピッタリの曲もあるので、自分のレベルにあった曲を選んでみましょう。

ランスロ 26のエチュード 

こちらはエチュード(練習曲)と呼ばれる形の小さな曲です。

クラリネットの簡単な音域を使って朗々と演奏することができるので初心者にぴったり。甘く柔らかい音を出すイメージで演奏すると美しく演奏することができます。

美空ひばり 川の流れのように

美空ひばりの名曲はクラリネットで演奏しても素敵です。

この曲を演奏するコツは演歌のように節回しをしすぎずにあくまでまっすぐ吹くのを基本とすること。クラリネットはまっすぐ吹くとそれだけで美しく聞こえるのでこの基本を忘れないように演奏しましょう。

グレンミラー ムーンライトセレナーデ

最後にジャズの名曲であるこちらの曲を。この曲はやや難易度が高いので、クラリネットに慣れてきた方におすすめです。

できるなら少しビブラートをかけて演奏するとジャズっぽくきこえます。グルーブを感じながら流れるように演奏すれば気分は名演奏家です。

最後に

クラリネットは見た目はリコーダーに似ていますが、音を出す事に関しての難易度はリコーダーよりもやや高くなっています。最初は音を出すのも苦労するでしょう。しかし、正しい練習を積み重ねれば自然と息をするように音が出るようになってきます。音が出ないのは誰もが通る道。そこでめげずにコツコツ練習すれば、あなたにも素敵な音がきっと出せますよ。この記事を参考にして楽しく練習してみてくださいね。