甲高い音が魅力的!経験者が締太鼓の基礎知識、叩き方、選び方を伝授

みなさんは和太鼓の「締太鼓」と呼ばれるものをご存知ですか?名前は知らなくても見たことある人はたくさんいると思います。お祭りで子どもたちがよく叩いている太鼓が締太鼓です。小さい太鼓で甲高い音を発するのが特徴です。他の和太鼓よりも面(皮)が厚いのも特徴ですね。

そんな締太鼓の基礎知識、魅力、練習方法などを和太鼓経験者が伝授します!

 

締太鼓の基礎知識

締太鼓の練習方法を覚える前に、まずは基本的な知識を身につけましょう!締太鼓がどのようにしてできたか知っていますか?締太鼓の部位や種類など、ここで締太鼓のことをしっかり押さえておきましょう!

締太鼓の歴史

能楽や歌舞伎で主に使われている太鼓が締太鼓です。飛鳥時代、日本に入ってきた伎楽で使用される楽器として伝わったそうです。歌舞伎などで使われるようになったのは江戸時代からで、比較的近年からのようです。

(参考記事:http://iroha-japan.net/iroha/D05_instrument/11_shimedaiko.html(2020年8月5日))

締太鼓の部位

次は締太鼓の部位の名称を覚えましょう。太鼓にもそれぞれ場所によって名前がつけられています。しっかり覚えることで和太鼓奏者へ一歩近づくことができます。締太鼓は他の和太鼓と比べて名称が少ないので簡単に覚えられますよ。

バチで太鼓を叩く部分のことを「面」と呼びます。面は基本的に中心を叩きます。和太鼓は中心を叩くとよく音が出て、外側はあまり音が出ないからですね。締太鼓は叩いていくと面が劣化し、張り替えなければならなくなります。張り替えの際は面と面を繋いでいるボルトやロープなどを取って張り替えます。面の厚さによって締太鼓の音の高さが変わります。

面と面に挟まれている木の部分を「胴」と呼びます。基本的に胴をバチで叩いてはいけません締太鼓はボルトやロープが邪魔をして叩きにくいとは思いますが、叩いてはいけない部分です。パフォーマンスで叩かなければいけない場合はOKです。叩いてはいけない最大の理由は「見た目が悪くなるから」です。

どれだけ素晴らしい演奏をしても、胴がでこぼこなキズついた和太鼓では良い印象を抱かれません。普段から大切に扱い、長く良い状態を保つようにしましょう。

ターンバックル・ボルト・ロープ

締太鼓の面と面を繋ぐ部分のことをそれぞれ「ターンバックル」「ボルト」「ロープ」と言います。これは何で締めているかによって異なります。そもそも、皆さんは締太鼓をなぜ「締太鼓」と呼ぶが知っていますか?ターンバックル、ボルト、ロープで文字通り締めているから、締太鼓と呼ぶんです。何で締めるかによって音や重さに影響があります。

締太鼓の材料

締太鼓は何でできているか知っていますか?胴が木材であることは見てわかると思いますが、面は何でできているでしょうか?実は、誰もが知るあの動物が使われています。締太鼓が何でできるのか、こちらも押さえておきましょう!

牛や馬の皮

多くの締太鼓の面は牛の皮で出来ています。良い締太鼓は馬の皮が使われていることもあります。中でも欠陥が目で確認できる締太鼓は「良い音を出す」とされているんです。もし締太鼓をお持ちでしたら、確認してみてください。

今後買う予定のある方で実際に見て選ばれる人は面をじっと観察してみるといいでしょう。欠陥以外ではほくろなども確認できる場合があるそうです。

木材

胴の部分は見てわかる通り木材が使用されています。具体的にはケヤキやマツなどの木が使われているんです。現在流通している締太鼓のほとんどはくり抜き型で作られています。くり抜き型とは、1本の木の中見をくり抜き、形を整えて面を貼り付ける作り方です。

ターンバックル・ボルト・ロープ

先ほども少し説明したターンバックル、ボルト、ロープが締太鼓に使われています。ターンバックルが使われた締太鼓はあまり見かけることはないでしょう。現在はロープやボルトが主流となっています。初心者向けはボルト締めですが、太鼓を持ち上げる力に自信がない方はロープ締めをオススメします。

締太鼓の種類

締太鼓には、ターンバックル締め、ボルト締め、ロープ締めの3種類あります。では、締め方によって音や重さにどう影響してくるのか?初心者向きの締太鼓はどれなのか?この辺りの疑問点への回答も含め、解説していきます!

ターンバックル締め

現在最もマイナーな締太鼓が「ターンバックル締めの締太鼓」です。私は3年間和太鼓奏者として活動しておりましたが、ターンバックル締めの締太鼓は見たことがありません!ターンバックル締めの締太鼓は3種類の締太鼓の中で最も締めるのが簡単だそうです。しかし、ターンバックルは金属ですのでロープ締めより重いです。

また、ボルト締めよりも強く締めることができないので、音はボルト締めより劣ります。「どうせなら良い音で練習したい!」「持ち運びに便利そうな軽い締太鼓で練習したい!」という方は、ターンバックル締めの締太鼓はオススメしません。

ロープ締め

近所や市のお祭りなどでよく出てくる締太鼓は「ロープ締めの締太鼓」です。3種類の締太鼓の中では最も軽い素材で締められているので、締太鼓自体も軽いです。持ち運びに便利なので、力がない方にオススメです。しかし、ロープで締めているので緩くなるのが早く音にも影響が出てきます。ロープが緩む度に締めなければなりません。

また、締め方は3種類の締太鼓の中で最も難しいので初心者向きではありません。何度か締めていれば覚えると思いますが、頻繁に締めることがないので覚えるのも困難でしょう。先ほどもお伝えした通り、締太鼓自体は軽くそこが唯一のメリットです。重さ重視で締太鼓を選びたい方はロープ締めの締太鼓をオススメします!

ボルト締め

さまざまな和太鼓演奏グループが使用しているのが「ボルト締めの締太鼓」です。ボルト締めは指定の場所にボルトを差し込み回して締めるだけなので初心者でも簡単です。しっかり強く締まるのでターンバックル締めよりも甲高く良い音が出ます。また、ゆるくなることが滅多にないので、ロープ締めのように頻繁に締めなくても良いのが利点です。

私はボルト締めの締太鼓を使っていましたが、ボルトを締めたことは一切ありません。色んなメリットがあるボルト締めですが、ボルトが重いので締太鼓自体とても重くなります。人によっては両手でやっと持てる重さでしょう。音重視で締め太鼓を選ぶ方にはボルト締めの締太鼓をオススメします。

 

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締太鼓の魅力

締太鼓についての基本的な知識と締太鼓の種類についてお伝え致しました。自分が使いたい締太鼓は決まりましたか?自分で納得のいくものを選んでくださいね!次は締太鼓の魅力についてお話します。これを見れば締太鼓がもっと好きになって、今すぐ叩きたくなりますよ!

気持ちの良い甲高い音

締太鼓はよく響く甲高い音が特徴です。和太鼓って低い音のイメージが強いですが、締太鼓はとても高い音を出すんです。先ほど説明しましたが、面の厚さによって音の高さが変わります。厚ければ厚いほど音が高くなります。

縁の下の力持ち

締太鼓は高い音を利用して演奏中他の太鼓をリードする役割があります。メトロノームや指揮者のような存在です。曲によって異なりますが、基本的には同じ速度同じ音の大きさを出し続けて他の和太鼓を導きます。和太鼓演奏を支えているのは実は締太鼓なんです!

選ばれた人しか叩けない太鼓

先ほど「締太鼓は他の太鼓をリードする」と説明しました。締太鼓は選ばれた人にしか叩けない太鼓なんです。演奏中、同じ速度・同じ音の大きさで叩き続けるにはそれなりの技術が要ります。他の太鼓が早くなってしまったり遅くなってしまったら、元のスピードに戻すようにしなければいけないのです。難しいポジションですが、その分叩きがいのある太鼓です。

締太鼓の練習方法

ここで締太鼓の練習方法を伝授します。順番に説明するので、実際にバチを持ちながら練習してみてください。

バチの選び方

まずはバチの選び方です。バチの太さは太すぎず細すぎず、自分の手にフィットするものを選んでください。締太鼓のバチはバチ先が細くなっていくものを使います。重さも軽すぎず重すぎないものを選びましょう。軽いと音があまり出ませんし、重いと演奏していくにつれ手が痛くなってしまいます。

バチの持ち方

まずは親指と人差し指でわっかを作るようにバチを持ちます。そしてそのまま、他の指をそっと握ってください。これがバチの持ち方です。ぎゅっと握らず、手全体でバチを包み込むように持ちましょう。

叩くときの姿勢

今回は立って叩く場合の姿勢をお教えします。足は肩幅に開いて安定させましょう。バチ先が面の中心に来るように構えます。これが基本的な姿勢です。手の位置は基本的に構えた場所からは動きません。

叩き方

叩き方は少しコツが要ります。手首を上げ下げしますが、下げる行動で太鼓を叩くわけではありません。手首を下げバチ先が面に近づいた瞬間、中指・薬指・小指をぎゅっと握ります。握った反動で太鼓を叩くのです。最初は思い通りにいかないと思いますが、根気よく練習することで上達していきますよ!

オススメの練習方法 3選

締太鼓の練習方法はわかりましたか?初心者の内はどのように練習すればいいのかわからないという人は多いでしょう。そこでオススメする練習方法を3つお伝えします。動画を見ながら練習してみてください!

四つ打ち

まずは音を出す練習をしましょう。動画を見て、リズムに合わせて音が鳴ったタイミングで叩きます。音符が流れてくるタイミングに合わせて叩くだけなのでとても簡単です。音を出す練習をしがてら、叩き方や面の中心を叩く練習もしましょう。

三つ打ち

さまざまな曲で出てくる地の音「三つ打ち」です。締太鼓は指揮者のような存在で、演奏中は基本的に同じ音を同じスピード、同じ音の大きさで出し続けるというお話はしました。三つ打ちはよく使われるリズムなので練習をしておいて損はありません!

太鼓芸能集団 鼓童「彩」

こちらは太鼓芸能集団鼓童の「彩」という曲です。彩では「てんけてんけ」と呼ばれるリズムが使われています。てんけてんけは三つ打ちよりも難しいリズムですが、三つ打ちと同じくらい使われるリズムです。音をよく聞いて練習してみてください。

締太鼓が出来ればどんな太鼓も叩けるかも!?

締太鼓の練習方法、基礎知識、魅力をお伝えしました。締太鼓は基本的に特別なパフォーマンスなどが要らないポジションです。しかし、技術が必要で意外と難しい太鼓でもあります。演奏を成功させるためにみんなを導く重要な太鼓です。締太鼓を叩けるようになれば、他の太鼓も安定して叩けるようになるでしょう。