【コントラバスの初心者向けガイド】コントラバスの5つの魅力と基礎知識について

コントラバスというと吹奏楽部でもオーケストラでも縁の下の力持ち、といった印象なのでアラフィフ初心者の方たちにとってはあまり演奏映えしない楽器のように感じるかもしれません。

しかしコントラバスは初心者の方でも「この楽器を手に取ってよかった」と思えるような魅力を秘めています。

この記事ではそんなコントラバスの魅力を5つご紹介します。

【魅力1】音楽の構造が理解できる

コントラバスの魅力の1つめは、演奏することで音楽の構造が理解できることです。

音楽を構成するのは「音楽の3要素」と言われリズム・ハーモニー・メロディーの3つを指します。

コントラバスを担当するとリズムを刻み、ハーモニーの一番基本になる音であるルート音を弾くことになるのでメロディーに伴奏をつけるとはどういうことかという基本がしっかりと理解できるのです。

まずリズムですが、音楽には適した速さというのがあり、この速さを決めているのが指揮者で、その速さで実際に演奏するのがドラムなどのパーカッションとコントラバスやベースなどの低音域を担当する楽器です。

極端な例ですがバラードの曲を早く演奏したのでは聴き手が歌詞を味わって聴く余裕すら生まれませんし、行進曲をゆっくり演奏したのでは転んでしまいます。

そのためコントラバスはパーカッションとともに指揮者の指示に合わせて正確なリズムを刻む必要があるので、初心者の方でも少しずつリズム感が身についてくるでしょう。

そしてハーモニーですが、ルート音というのは全ての伴奏の構成音である和音の一番下の音なので音楽全体を支える役割を果たします。

目立つ必要はないけれど、他の音と異なり絶対に省くことができない音と言えばわかりやすいでしょうか。

楽器のほとんどは複数の音を同時に出すことができない「単音楽器」のためなかなか音楽の3要素の全体を俯瞰して見ることはできません。

しかしコントラバスを演奏すればその2要素を同時に担当するため、他の楽器を担当するより音楽の全体像を把握しやすくなるのです。

音楽の構造を理解できるという意味で、コントラバスは初心者の方にとって魅力的な楽器であると言えるでしょう。

【魅力2】奏法が3つあるので表現の幅が広い

コントラバスの魅力の2つめは、奏法が複数あるため表現の幅が広いことです。

コントラバスには初心者の方にも覚えてほしい3つの奏法があります。

1つめは弓で弾くアルコ奏法、2つめは弦を指で弾くピチカート奏法、3つめは弦を引っ張って叩くスラップ奏法です。

このことからコントラバスはオーケストラ、吹奏楽、ジャズ、ロカビリー、ボサノバとさまざまなジャンルの音楽を演奏することができるのです。

同じ低音域の木管楽器、金管楽器を見渡してみてもこのように異なる奏法で多くの音色を出せる楽器は他に見当たりません。

よく吹奏楽部出身のコントラバス奏者の方が存在感のなさに悩むと聴きますが、一度他のメンバーだけで演奏するのを聴いてみると、チューバ、ファゴット、バスクラリネット、バリトンサックスなど他の低音楽器では埋められない音の薄さや表現の物足りなさを感じるはずです。

一口に低音域のルート音と言っても、多彩な表現方法でそれを伝えることができるのがコントラバスの魅力と言えるでしょう。

【魅力3】基礎練習が意外と楽しい

コントラバスの魅力の3つめは、基礎練習を行うのが意外と楽しいことです。

コントラバス初心者の方がまず取り組む基礎練習と言えば、ボーイングと移弦ではないでしょうか。

ボーイングとは運弓法ともいい、バイオリン、ビオラ、チェロ、コントラバスなどの弓を使用して演奏する弦楽器においてどのように弓を動かして演奏するのかを言います。

具体的にはコントラバスの場合は弦に弓を直角にあてて、弓の軌道がまっすぐになるように演奏するのがボーイングの基本です。

初心者の方の場合は弓先が下がってしまったり、また弓先を意識しすぎて逆に上がってしまったりとなかなか安定して弦に対して直角を維持しながら弾くのは難しいので、最初は開放弦で弓の位置を見ながら何度もG線からE線までを繰り返し練習してみましょう。

次に移弦ですが、今まで弾いていた弦とは別の弦を演奏することです。

コントラバス初心者の方でも隣の弦には比較的簡単に移弦できますが、弦をまたいだ移動となるとなかなか難しいと感じる方の方が増えてきます。

手元を見なくても移弦できるようになるまで根気よく練習するのがコツです。

どうしてこんな退屈な練習を魅力的だと思うのか、不思議に感じる方もいらっしゃるでしょう。

実はコントラバスの場合、曲の中ではルート音を均一なリズムで刻みながら演奏することが多いため、ボーイングと移弦、あと少しの運指ができれば初心者の方でもすぐに曲を演奏できてしまうのはよくあることなのです。

基礎練習が曲の演奏に直結していると言えばわかりやすいでしょうか。

それ自体は単調な基礎練習でも、好きな曲をすぐ弾けるようになるとすれば前向きな気持ちで取り掛かることができるのがコントラバスの魅力の1つと言えるでしょう。

【魅力4】楽器のお手入れが楽しい

コントラバスの魅力の4つめは楽器のお手入れが楽しいことです。

コントラバスの正しいお手入れについて、弓と本体にわけてご紹介します。

①弓のお手入れについて
音が鳴りにくくなったら松脂を塗りますが、コントラバス専用の柔らかい松脂を塗ることが大切です。

この時他の楽器用の松脂で代用してはいけません。

なぜならコントラバスの太くて張力の強い弦を震わすためには粘度の高さが必要だからです。

溶けやすいので冷蔵庫で保管し、3年を目安に使い切るようにしましょう。

また日々の弓のお手入れですが、初心者の方がよくやってしまいがちなのはケースに収納する前に弓を振ることです。

これは弓を痛める行為なのでしないように注意してください。

正しい弓のお手入れの手順はまず弓を緩め、手と竿の部分を布で拭きます。

手汗や松脂が残っていると弓が痛むので丁寧に行うのがコツです。

②本体のお手入れについて
手汗と松脂を拭き取るため布を2枚用意します。

手汗を拭く場所は弦、ネック、ボディ、糸巻の4つで、糸巻を見落としがちですがここの手入れを怠るとあっという間に錆びるので注意しましょう。

また松脂を拭く場所は弓で弾く部分、楽器表面とサイドの部分、駒上周辺の3つです。

余裕がある時に指板と弦の間に布を入れて拭き取るとなお良いでしょう。

これらのお手入れは一見手間に感じますが、大切にした分だけコントラバスは良い音色を響かせてくれます。

良い音で良い演奏をするためにも、初心者の方は正しいお手入れの方法を身に着けることが大切です。

【魅力5】コントラバスは習うのが楽しい

コントラバスの魅力の5つめは、先生について習うのが楽しいことです。

自分語りになりますが、小学生のころ管弦楽部に所属してコントラバスを演奏しており、そこでは年に1回プロのオーケストラの奏者の方に教えていただく「弦楽器講習会」というイベントがありました。

普段の部活動は授業終了後に2~3時間ほど練習するというのが定番ですが、弦楽器講習会は日曜日に1日かけてみっちりと練習が行われるのです。

年に1回といえども6年生はその日1日で演奏のおかしな癖を取り、改善点を見出すことができます。

また初心者である5年生は楽器の正式な構え方から基礎練習の方法まで、演奏が上達するためには何を行えばよいかを理解できるのです。

所属している部員全員、その日1日で何倍もうまくなるのが目に見えてわかりました。

言い換えれば、専門の良い先生について習う機会というのはこれほどまでに上達への近道だということです。

その後大人になってからも、1回でも教えていただきながら弾く機会を持つことの重要性がよく理解できたため、オーケストラの先生がついてコントラバスを教えてくれるイベントには積極的に参加しています。

アラフィフ初心者の方ももしコントラバスを弾いてみたいと思うなら、ぜひ良い先生探しから始めてみてはいかがでしょうか。

まとめ

コントラバスは低音域を担当する楽器なので地味に感じがちですが、初心者の方の心を惹きつけるさまざまな魅力があるということをおわかりいただけたことでしょう。

アラフィフの方が音楽を始めるとなると自分が少しかじって途中でやめてしまった楽器や、カラオケなどで少しは馴染みのあるボーカルなどに目がいきやすいのは理解できます。

しかし全く馴染みのないことに新しく挑戦してみるというのも、自分がいつまでも若々しい気持ちでいられる原動力となるのではないでしょうか。

また弦楽器のアンサンブルやジャズの演奏などに参加すれば、オーケストラとはまた違った楽しみ方もできます。

演奏への敷居があまり高くなく、音楽についての理解を深めることができるコントラバスの演奏を、ぜひ一度は経験してみてください。

音人倶楽部とは?

音人倶楽部は50代以上の大人の方向けに作られた音楽教室です。

入会された方の72%が初心者からのスタートなので安心して始めることができるのが特徴的と言えます。

コントラバス初心者で、楽譜が読めない方でも大丈夫ということです。

また幅広く音楽に触れてみたい方のためには「オールフリー制」があり、コースやスタジオ、講師まで都度選ぶことができるため、気分転換に少し他の楽器を習ってみることもできるのです。

そしてアラフィフの皆さんはまだ仕事が急に忙しくなるといったことも想定されますが、そのような時にレッスンに参加できなかったとしても無料で補講を受講できるのがうれしいポイントと言えるでしょう。

これからの時間を豊かな気持ちで過ごすためにも、ぜひ「音人倶楽部」という新しい扉を開いてみませんか。