担いでるだけで楽しい気分に!経験者が桶太鼓の基礎知識、叩き方などを伝授

数ある和太鼓の中の1つ「桶太鼓」というものを知っていますか?ストラップという布を使い、桶太鼓を持ち歩いて演奏する太鼓のことです。この桶太鼓、音をちゃんと出すまでが難しいのですが、演奏出来るようになれば楽しい気分になれるんです。私も何回か演奏したことありますが、担いだだけでわくわくしますよ!

そこで今回は桶太鼓経験者が桶太鼓の基礎知識、魅力、練習方法などをお伝えしていきます!

 

桶太鼓の基礎知識

まずは桶太鼓の基本的な知識を身につけましょう。桶太鼓は数ある太鼓の中でも特殊な形をしています。また、軽くストラップを用いて肩にかけ持ち歩きながら演奏する太鼓です。台に置いて動かさずに演奏する方法もありますよ。桶太鼓の部位の名称、材料などをご説明します!

桶太鼓の部位

桶太鼓にも各パーツに名前が決まっています。1つ1つ覚えていきましょう。

桶太鼓で覚える名前はたったの5つです。言葉が短かいものや日常生活で耳にする言葉が使われているので覚えやすいですよ。

バチで叩く部分を「面」と呼びます。桶太鼓を叩く際は面の中心を叩くようにしましょう。バチ全体が面に当たるように叩いてしまうと不快な音が出てしまいます。桶太鼓は和太鼓の中でも特に叩きにくい太鼓です。バチの持ち方を工夫したり担ぎ方を変えたりして、気持ちの良い音を出せるようにしましょう!

桶太鼓の横、木材の部分を「胴」と呼びます。どの太鼓でも同じですが、基本的に胴は叩いてはいけません。胴をバチで叩いてしまうと、でこぼこして見た目が悪くなってしまいます。パフォーマンスとして胴を叩く際は構いませんが、それ以外では極力叩かないようにしましょう。演奏の際は面、または次に説明する縁を叩いてください。

桶太鼓の面の周り…音で言うとカッの部分を「縁」と言います。よく見る長胴太鼓の縁の音は固い音がしますが、桶太鼓は比較的柔らかい音が出ます。

カラカラと軽快な音が出るので、演奏中縁を叩く時がよくあります。縁を叩く際は間違えて紐を叩かないようにしましょう。プロの奏者でも紐の部分を叩いてしまうことがあり、その際音が鳴りません。練習を重ねれば紐を叩く頻度を少なく出来るので、練習を怠らないようにしましょう。

桶太鼓を締めているロープのことを「紐」と呼びます。しかし、人によってはロープと呼ぶ場合もあります。和太鼓グループに所属している場合は、グループ内で呼ばれている名称で呼んでくださいね。桶太鼓は使う前に締め、使った後はゆるめなければいけません。

「締めっぱなしでいいじゃん」と思う方も時々いらっしゃいますが、締めっぱなしは桶太鼓にとって悪影響です。桶太鼓をゆるめないということは、常にきつい洋服を着ているのと同じことなのです。ずっと窮屈な洋服を着ているのは嫌ですよね?使った後はきちんと緩めるようにしましょう。

ストラップ

桶太鼓を担ぐ際使用する布のことを「ストラップ」と言います。ストラップの両端には細い紐が通されており、それを使って桶太鼓にくくりつけます。紐である程度の長さ調節はできますが、ストラップを購入する際は実際につけてみて自分の身長にあったものを購入しましょう。

短すぎたり長すぎたりすると、演奏がしにくくなってしまいます。また、柄や色などが豊富にあるので好みのものを購入すると演奏がより一層楽しくなりますよ!

桶太鼓の材料

桶太鼓の各名称は覚えられましたか?今すぐ覚える必要はないので、自分のペースでゆっくり覚えてくださいね。次は桶太鼓の材料です。面や胴の部分、何で出来ているかご存知ですか?覚えておくと、後々役立つ場面もあるでしょう。

牛の皮

面は牛の皮が使われています。桶太鼓だけでなく、他の和太鼓も牛の皮が使われているケースが多いんですよ!面が劣化すると、張り替えが可能です。なので、一度太鼓を購入すれば長く使い続けることができるんです。

杉の木

桶太鼓の胴は「杉の木」が使われていることが多いです。中でも、米杉という種類の木は軽く桶太鼓を軽量化することが可能です。桶太鼓は大きさや木の種類によって重いものと軽いものがあります。重いもの、つまり大きい桶太鼓はそれだけ大きな音が出ます。

演奏中はずっと担いでいるものですから、軽いものがいいのか重いものがいいのか、ご自身の体力と相談して購入してください。

桶太鼓の演奏方法は2種類ある

ここまで桶太鼓の名称や材料の知識をお教え致しました。桶太鼓のことがなんとなくわかってきましたか?実は、桶太鼓には演奏方法が片手打ちと両手打ちの2種類があります。文字通り、バチ1本で演奏をするかバチ2本で演奏するかの違いです。2つの奏者について詳しく説明していきます。

片手打ち

桶太鼓初心者はまず片手打ちから練習し、慣れてきたら両手打ちへ移行します。片手打ちは右手で叩き、左手で桶太鼓を支えながら演奏するのです。人によりますが、片手打ち奏者は大きな音が出しやすいことから小さい桶太鼓を使う人が多いです。桶太鼓を始めたばかりなら、まずは片手打ちの練習からしましょう!

両手打ち

片手打ちに慣れてきた人は両手打ちの練習を開始します。両手打ちは右手と左手で演奏をします。また、演奏上のパフォーマンスとして両手打ちの奏者は「両面打ち」をすることもあります。両面打ちはとても難しいので、両手打ちに慣れてきてから練習をするようにしましょう。

両手打ちは難しく音が出にくいことから、大きな桶太鼓を使う場合が多いです。

 

締太鼓の魅力

桶太鼓の基礎知識は頭に入りましたか?次は桶太鼓の魅力についてお伝えします。私は和太鼓の中でも桶太鼓が上位に来るほど好きなんです!その理由を魅力と共にお話します!

見るだけで楽しい気分に!

桶太鼓は基本的に楽しい曲で使われる太鼓です。お祭りのような雰囲気にぴったりな桶太鼓だから、楽しい曲で使われると思われます。なので、桶太鼓は見ているだけで楽しい気分になります。奏者が桶太鼓を担ぐ姿を見るだけでわくわくが止まりません!

移動しながら演奏ができる

桶太鼓は他の和太鼓よりも軽いことから、ストラップをつけて担ぎながら演奏する太鼓です。移動しながら演奏できるので、開けた場所で演奏する場合はさまざまなパフォーマンスが出来ます。

お客さんに近づいて演奏をすることも出来ますし、演奏しているメンバーとコミュニケーションを取りながら演奏もできます。自由がきく和太鼓でもあるんです。

音の高さを自由に変えることができる

桶太鼓は締め方によって音の高さを自由に変えることが出来ます。きつく締めるほど高音に、ゆるく締めるほど低音になります。締太鼓という太鼓も、締めた時の力で音の高さを変えることができます。しかし、桶太鼓ほど頻繁に締めたりゆるめたりする太鼓ではありません。

その点、桶太鼓はその時の気分に演奏する曲にあわせて音の高さを変更することができるのです。

和太鼓の中でも軽い太鼓

桶太鼓は和太鼓の中でも軽い太鼓です。担いで移動しながら演奏できる太鼓ですから、軽くて当然ですよね!簡単に持ち運びができる太鼓なんです。私が和太鼓サークルに所属していた時、演奏依頼をくださった方から太鼓を運ぶための車が手配されることがありました。しかし、手配される車が小さくて全てが入りきらない時があります。

その際は桶太鼓だけ、自分たちで持って行き他の太鼓は車で運ぶ時もよくありました。長い距離を背負って運べるほど軽い太鼓なんです!

桶太鼓の魅力をお伝えしましたが「和太鼓を始めるにしてもどうすれば良いか」と迷う人もいるでしょう。そこでおすすめなのがEYS音楽教室です。入会すると和太鼓のプレゼントがある上、無料体験レッスンもあるので、ぜひお試しください。

桶太鼓の締め方

桶太鼓は使う前に締め、使った後はゆるめなければいけません。その理由はすでに説明しているので、ここでは割愛しますね。桶太鼓の締め方は主に3ステップです。縦締め、横締め、仕上げです。ステップ1の縦締めでは2つの面と胴をくっつけます。ステップ2の横締めでは縦締めした紐をまとめます。このステップ2で音の高さを変更するのです。

最後に紐が余るので、仕上げとして軽く桶太鼓に巻き付けます。ほどけないようしっかり最後は縛って終わりです。締め方は言葉で説明するとわからなくなってしまう人が多いです。こちらの動画を見て参考にしてみてくださいね!

 

締太鼓の練習方法

いよいよ、桶太鼓の練習方法です。桶太鼓はバチの持ち方が特殊です。しっかりバチが持てても、慣れない持ち方で音がほとんど出ないこともあります。自分のペースでゆっくり練習していきましょう!

バチの持ち方

まずは右手で軽くバチを握ります。薬指・小指でバチを軽く握り、他の3本は支えるだけです。左手での握り方ですが、まずは手をパーの形にしましょう。親指・薬指・小指を少し握るように倒します。2本の指と3本の指の間に隙間が出来たと思います。そこにバチを通して、軽く握ってください。これがバチの持ち方です。

特殊な持ち方なので、困惑した方もいると思います。「5.桶太鼓の練習方法」では練習方法と一緒に握り方の確認もできますよ!

叩くときの姿勢

背筋をピンと伸ばして立ってください。右利きの方の場合、桶太鼓をつけたストラップを右肩にかけましょう。桶太鼓は左の腰辺りに来るよう肩にかけます。面は少し上を向くように微調整します。右のバチはそのまま面の方へ、左のバチは腕を桶の上側に持ってきて構えます。これが桶太鼓を演奏する際の正しい姿勢です。

他の和太鼓も同じですが、特に桶太鼓は背筋を伸ばして堂々を演奏するとかっこよく見えますよ!

叩き方

特殊なバチの持ち方なので、どう叩くのか想像がつかない人もいらっしゃると思います。右手は手首を使ってバチ先が面に触れる直前に軽く握ります。手首の返しと握った反動で音を出すイメージです。

左手は手首と人差し指・中指を使います。手首の返しと2本の指を握る反動で音を出すのです。左手の音はなかなか出ないと思います。根気強く練習していきましょう!

桶太鼓の練習方法

桶太鼓は1つずつ段階を踏んで練習していくことで、早く上達します。上手くなりたいからと言って、初心者が両手打ちから始めるとなかなか上手くなりません。ここで紹介する練習方法を上から順に1つ1つ実践して、自分のものにしていきましょう!

右手の叩き方

まずは右手の叩き方を習得して、片手奏者を目指しましょう。右手での叩き方のポイントは手首の返しと軽く握る動作です。片手打ちは細かい音が出せないので、曲中のアクセントを叩くことが多いです。また、打ち数が少ないことから演奏中の余裕もあるので腕を大きく動かしてパフォーマンスをすることもあります。

片手打ちの練習に余裕が出てきたら、パフォーマンスの練習もしてみてください。

左手の叩き方

片手打ちに慣れてきたら、左手も加えて両手打ちの練習をしましょう。左手での叩き方のポイントは右手と同様、手首の返しと軽く握る動作です。しかし、右手よりも難しく音が出にくいです。なかなか努力の成果が発揮されないと思いますが、根気強く練習をしましょう。両手打ちは細かい手が多いので、ぼそぼそと音が飽和しやすいです。

1つ1つ芯のある音が出せるようにしましょう。

太鼓芸能集団 鼓童「結」

両手打ちに慣れてきたら実際の曲を聴いて練習してみましょう。こちらは太鼓芸能集団 鼓童の「結」という曲です。鼓童の中でも明るく楽しい曲なのが特徴です。いきなり両手打ちの練習は難しいと思うので、曲を覚えるために片手打ちから練習しましょう。慣れてきたら両手打ちで演奏してみてください。

両面打ち

両手打ちの奏者がソロなどのパフォーマンスでよくやるのが「両面打ち」です。両面打ちは左腰にあった桶を瞬時に自分の前へ移動させ、太ももで桶太鼓を支えながら両面を叩く動作です。左手をよく動かすので、練習し初めは筋肉痛に悩まされます。

また、とても難しい技術なので失敗する方も多く両面打ちの最中にバチが縁に当たってしまうこともあります。プロでも難しいこの技、ものにしたら注目間違いなしです!両手打ちに慣れてきた頃、練習してみてください。

 

根気強く練習して桶太鼓奏者を目指そう!

桶太鼓の基礎知識、魅力、練習方法について学びました。言葉で説明するとわかりにくい点も多い太鼓です。実際の演奏を見ながら練習すると上達が早いかも知れません。完璧に叩けるようになるには、何年も練習し続けなければいけません。私は3年和太鼓サークルにいましたが、3年経ってもなかなか音は出せませんでした。

根気と忍耐が必要な太鼓ですが、演奏出来るようになった時の達成感は計り知れません。ぜひ、練習して桶太鼓を楽しんでください!