和太鼓に興味がある人必見!長胴太鼓の基礎知識、魅力、初心者講座を伝授

お祭りなどでよく使われる「和太鼓」。誰でも一度は目にしたことがあると思います。低く力強い音には誰もが魅了されるでしょう。近年では若者も和太鼓に興味を持つ人は少なくないと言われています。

 

和太鼓は一見簡単そうですが、実は意外と奥が深い楽器なんです。今回は和太鼓の中でもよく見られる「長胴太鼓」の叩き方、練習方法をご紹介します!

 

長胴太鼓の基礎知識

 

長胴太鼓の練習方法をお教えする前に、まずは基本的な知識をお伝えします。

長胴太鼓はどうやってできたの?

長胴太鼓のあの部分はなんて名前?

そもそも、長胴太鼓って何でできてるの?

長胴太鼓を知ればもっと好きになること間違いなしです!

 

長胴太鼓の歴史

和太鼓はいつの時代から使われていたかご存知ですか?なんと、縄文時代ですでに存在していたことがわかっているそうです。しかも、楽器や音楽関連として使われていたわけではなく、情報伝達の方法として活用されていたのだとか…。

 

長胴太鼓は3つの製造方法があります。くり抜き方式、集成方式、繊維強化プラスチック方式の3つです。現在主流の「くり抜き長胴太鼓」は飛鳥時代に中国から伝来したと言われています。

 

長胴太鼓の部位

長胴太鼓の細かい部分にもそれぞれ名前がついています。

 

面(めん)

長胴太鼓をバチで叩く部分を「面」と呼びます。購入したばかりの和太鼓は面がピンと張っているので、和太鼓らしかぬ甲高い音が鳴ります。使うにつれ、面が伸びて太鼓らしい低く魅力的な音が出るようになるのです。

 

使いすぎるとぼわぼわした音になる上バチと接触する部分はケバケバしてきます。面がケバケバしてきたら、面を替えるタイミングなのです。

 

胴(どう)

長胴太鼓の側面を「胴」と呼びます。パフォーマンスとして胴を叩くと指定されている場合があります。しかし、指定されている時以外は原則叩いてはいけません。本来胴は叩く場所ではなく、バチで叩くと塗装が禿げてたり木が凹みでこぼこしたりしてしまいます。見た目も悪くなるので、胴はあまり叩かないようにしましょう。

 

鋲(びょう)

長胴太鼓の面の近くにある黒いつぶつぶのことを「鋲」と言います。鋲は学校でよく使われる画びょうの「鋲」です。文字通り、面を胴にくっつけるためについているものです。面を張り替える際は、鋲を1つ1つ外して張り替えます。

 

耳(みみ)

鋲の近くにある少し出っ張った面の一部を「耳」と呼びます。長胴太鼓の中には耳なしの太鼓と耳ありの太鼓があり、現在は耳ありが主流です。

 

耳なしの長胴太鼓は出っ張った部分がないため、とてもすっきりしたシルエットです。耳ありと耳なし、見た目以外の違いは、面を張り替えられるか否かという部分にあります。耳あり長胴太鼓は面を張り替えることができますが、耳なし長胴太鼓は面を張り替えることができません。

そのため、耳なし長胴太鼓の面が悪くなったら捨てるしかないのです。耳は太鼓の一生を左右する重要なものなのです!

 

釻(かん)

胴の側面についている丸い取っ手のようなものを「釻」と呼びます。釻は胴の左右に1つずつついています。

 

釻は長胴太鼓を運ぶ際に使います。大太鼓などの大きくて1人では持ち運べない太鼓は釻が4つついていることもあります。たまに、釻がついていない長胴太鼓がありますが、その時は耳を持って持ち運びます。釻も耳もない長胴太鼓は、両腕で抱えて運びます!

 

長胴太鼓の材料

長胴太鼓の材料について見てみましょう。

 

牛皮

長胴太鼓の面は牛皮でできています。牛皮は厚く頑丈なので、和太鼓向きなのです。面をよく見るとホクロっぽいものや血管などが見えることがあります。

 

胴は木でできています。木はクスノキ、ケヤキなどさまざまな木が素材として選ばれます。中でもケヤキが使われた和太鼓は最高級品として扱われます。気になる作り方ですが、ここでは主流となっている「くり抜き方式」について説明します。

 

1本の木の中身だけをくり抜いて作る方法がくり抜き方式です。木を丸々1本使っているのでとても重いです。しかし、他の2つの作り方よりも良い音を出し、見た目もきれいです。

 

長胴太鼓の魅力

長胴太鼓の4つの魅力についてお伝えします。

 

太鼓の音は男女で聞こえ方が違う

長胴太鼓に限らず、和太鼓の音は男女で聞こえ方が違うと言われており、男性よりも女性の方が良い音で聞こえると言われています。とはいえ、音の聴こえ方は個人によるので、男性だから和太鼓の魅力が分からないというわけではありません。

 

また、男女で太鼓の聴こえ方について語り合うのも楽しそうですね。異性の感想から、意外な意見が聞けるかもしれませんよ。

 

曲によって置き方が異なる

長胴太鼓で演奏する際、太鼓をどう置くと思いますか?実は決まりはなくて、曲ごとに変わるのです。

 

長胴太鼓を立てて演奏する場合もありますし、横に置いて2人の奏者で演奏する場合もあります。演奏の際使う長胴太鼓が1つとは限らず、複数使う場合もあるのです。

 

使うほど音が変わる

先ほど少し説明しましたが、長胴太鼓は使うほど音が変わります。購入したばかりの時は太鼓らしかぬ甲高い音を奏でます。しかし、使えば使うほど味のある魅力的な低い音になるのです。

 

複数の大きさがある

長胴太鼓は複数の大きさがあり、「1尺〇寸」で大きさをわけられます。私は1尺6寸の長胴太鼓をよく使っていました。これは女性の平均身長である158cmの人間が並んだ時、面の高さが腰あたりに来るサイズです。

 

長胴太鼓の練習方法

次は長胴太鼓の練習方法を伝授します!この記事を参考に、練習してみてくださいね。

 

バチの持ち方

バチは強く握りしめると演奏しにくいので、ぎゅっと握らないようにしましょう!

 

まずは軽く握ってください。バチは人差し指と親指だけで支えます。叩く際は、残りの3本を軽く握りその反動と腕を振り下ろす力で太鼓を叩きます。また、バチを握った時小指の方から1、2cmバチの先が出るくらいの位置で持ちます。

 

叩くときの姿勢

どのサイズの長胴太鼓でも基本的に姿勢は同じです。

 

足は肩幅に開き、腰を下ろします。この時、正面から見たとき腰が見えないくらいまで下ろします。そして、バチを握った手を前へ持っていきます。腕と腕の間に大きな風船があるのをイメージします。腕と腕の間が開きすぎても狭すぎてもダメです。バチは面にべったりつけないように、バチ先が軽く触れるようにします。

 

叩き方

これまでに解説した姿勢を実際にとってみると、今は太鼓の前で構えており、バチ先は面の上にある状態だと思います。

 

ゆっくり垂直に片腕をあげましょう。この時、手首に紐をかけられていて上から引っ張られている様子をイメージします。つまり、手首から腕を上げるのです。叩く時は肘から降ろします。手はあくまで「肘を下ろしたときに勝手についてきた」という感じです。

 

面に触れる直前で手に力を入れて叩きます。叩いた後のバチや手の位置が叩く前で一緒になるように意識しましょう。

 

叩くときの体の使い方

ただ腕を上げて振り下ろすだけでは大きくて良い音は出せません。叩く時は体全体で叩くのです。まず、腕を振り下ろす時は腰を少しだけぐっと下ろします。

 

先ほど、叩く時は肘から降ろすとお伝えしましたが、厳密にいえば、「腰を下ろした表紙に肘がついてきてさらに手もついてきた」という感じです。腰を下ろすだけでも力強い音が出るようになります。また、腰を下ろす時は息をふっと吐きます。息を吐くことで、体にも力が入り良い音が出るようになるのです。

 

和太鼓は感覚的な部分が多いので、プロの指導の元での練習もおすすめです。EYSでは無料体験レッスンもあるので、ぜひ一度お試しください。

太鼓・バチ選びのポイント

基本的な叩き方はお分かり頂けたかと思います。しかし、自分に合った太鼓、バチを選んでいないと上達するものも上達しません。これから紹介する選び方を参考に、自分にあったものを選んでください!

 

長胴太鼓の選び方

長胴太鼓は自分の身長にあったものを選びましょう。身長が低い人は大きい太鼓を選ぶと上手く叩けません。逆に、身長が高い人が小さい太鼓を選ぶと体に負担をかけてしまいます。長胴太鼓を購入する前に、太鼓の前で構えてみて自分にあったものか確かめてください。

 

バチの選び方

バチは長胴太鼓よりも重要です。自分に合わないバチを選んでしまうと、演奏に影響が出てしまうからです。バチ選びにはいくつかポイントがあるので、ご紹介します。

 

長さ

長すぎるバチを選ぶと思い通りに力を入れて叩けなくなってしまいます。バチを持って構えてみて、普段演奏している太鼓をイメージしてみてください。軽く叩く素振りをしてみて「ちょうど良い」と感じたら、そのバチが自分にあったバチです。

 

太さ

基本的に大きい太鼓には太いバチ、小さい太鼓には細いバチを選ぶといいでしょう。しかし、人それぞれ手のひらの大きさが違うので、絶対にそうだとは言い切れません。気になるバチを握ってみて、手でバチを包み込めたら自分の手にあったバチの太さです。

 

重さ

同じ長さ、太さ、材料のバチでも重さは異なります。重さに関しては好みの問題になってきます。

 

重いバチは大きな音が出ますが、腕の負担になるので演奏中疲れやすくなります。軽いバチは腕への普段も少ないため演奏中は疲れを感じにくくなりますが、出せる音は小さいです。自分の体力を考慮して選ぶと良いでしょう。そして、2本のバチの重さは大体同じものを選びましょう。

 

関連アイテムの紹介

関連アイテムのご紹介です。実は重要アイテムである「台」の紹介をします!

 

長胴太鼓は床に直接置いて演奏することはできません。必ず専用の台が必要です。

 

長胴太鼓の台は数種類あります。演奏によって置き方が異なるので、いろんな台が用意されています。最もポピュラーな「長胴太鼓を立てて置くタイプの台」を選ぶと良いでしょう。タイヤ付きを選ぶと太鼓を乗せたまま移動できるので楽ですよ!

 

オススメの練習方法 4選

最後に、長胴太鼓のおすすめ練習方法をお伝えします!

初心者の方から少し慣れてきた方まで試すことができる練習方法です。

4拍子4分音符

ドラムの「トン」という音に合わせて叩くだけでできる練習方法です。こちらは初心者向けの方法です。音の出し方、叩き方の練習をする際はこちらの方法を活用してみてください!

 

四つ打ち

こちらは「四つ打ち」という叩き方です。動画は少し早いので、自分にあったスピードで練習してみてください。また、こちらの動画では1打目にアクセントを置いています。2打目、3打目と自分で調節すればアクセントの練習にもなります。

 

三つ打ち

 

こちらは「三つ打ち」という叩き方です。実際に和太鼓の演奏でも地の音として使われることが多いので、練習しておいて損はありません!初心者向けにやさしく解説されているので、動画を見ながら練習すると良いでしょう。

 

和太鼓集団 鼓童「空」

太鼓に慣れてきた方には曲を使っての練習がおすすめです。こちらは和太鼓集団 鼓童の「空」という曲です。

 

画面左側にある太鼓を真似してみましょう。和太鼓は楽譜がない楽器なので、繰り返し練習して叩き方を覚えましょう。動画では演者の手の動きや音を聞いて覚えます。最初は難しいと思いますが、似たようなフレーズを繰り返しているだけなので一度覚えてしまえば簡単ですよ!

 

あなたも今日から和太鼓奏者!

長胴太鼓に限らず和太鼓は感覚的な部分も多い楽器です。しかし、演奏できるようになれば楽しい気分になれます。和太鼓を演奏できる人って実はなかなかいないので、ちょっとした自慢にもなりますよ!長胴太鼓の演奏を楽しんでくださいね。